〒657-0055
兵庫県神戸市灘区上河原通二丁目3番18号
上河原二共同ビル2階
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1 マンション管理費等滞納問題について
・はじめに
昨今の経済情勢のもと、マンションの管理費、修繕積立金等を滞納する案件が増え問題となっています。
マンションには、家族構成や職業等異なる様々な世帯の方々が入居されています。それら方々の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保するために管理規約が定められており、それはマンションの住人として最低限守らなければならないルールで、管理費等の支払い根拠はその管理規約に定まっています。
管理費等の滞納があっても、「今は少額だから大きな影響はない」「そのうち支払ってもらえるだろう」「遅れながらでも時々入れてもらえるから未だ何もしなくていいだろう」「管理会社が回収してくれるだろう」等々考えているうちに更に滞納額が増えて大変なことになりかねません。
・何故大変なことになるのか?
これは管理費の性質なり性格になりますが、管理費等は、管理組合の唯一の収入源であり、日常の管理や修繕に使われる等マンション全体の現在及び未来のために充てられるお金です。
厄介なことに、その支払いは毎月となっており、区分所有者である限りは支払い続けないといけないものです。住宅ローンに比べると少額ですが、じわじわと毎月一定額増えてゆき、気がついた時には高額になっていることも多々あります。
そうなると、どうなるでしょうか?
管理費等が不足することになると、きちんと支払っている方々も満足のゆくサービスを受けられなくなるばかりか、修繕計画にも影響が大きくなり、ひいてはマンションの資産価値への影響も及ぼすことになり、俗に「マンションは管理を買え」ということがおかしくなります。
それでも、滞納者はエレベーターを利用するなど共用部分を利用したり、管理会社や清掃会社等のサービスは受けています。きちんと支払っている方々からすれば、納得がいかないのではないでしょうか。
また、他の住人の中に「あの人が払わないで済んでいるのなら、うちも今月苦しいから払わないでおこう」との気持ちが芽生え、区分所有者間に不公平感が生じることになり、新たな滞納者が増えることになりかねません。
・何故滞納が起きるのか?
これには様々な理由が考えられますが、もちろん圧倒的には滞納者の経済状態が挙げられます。
分譲マンションを購入する際は、様々な諸経費等も含めて予算を組み購入するため不足になることは基本的にはないと思われます。
しかし、購入後毎月必要となる管理費等については、様々な理由等により毎月支払えないため滞納という問題が生じています。
もし、住宅ローンを滞納した場合、銀行は最終手段として抵当権等に基づきそのマンションの競売を申立することになるため、それを避けようと一生懸命払おうとします。
他方、管理費等については抵当権がなく、すぐには競売にもならない、又身内に支払うため甘えからか、どうしても優先順位が下がり、結果として滞納が発生します。
他には、管理組合、管理会社なり分譲会社の対応が悪い、行方不明である等々が理由として挙げられます。
・管理会社の督促業務及び責任について
うちのマンションは管理会社が管理しているから、万一回収出来なくても管理会社に責任を取ってもらえるから大丈夫と思われている方はいらっしゃいませんか?
通常、確かに管理会社は督促業務を行いますが、管理委託契約書の定めにより方法、期間等が定まっており、その範囲内のことしか出来ず、一定期間経過後の未収管理費等について免責される旨の規定が設けられていることが多いです。
したがって、最終的には管理組合が主体となって、またその責任において督促をしなければなりません。
・そのまま放置しておくとどうなるか?
まず挙げられるのは、時効の問題があります。管理費等の時効期間は原則として5年です(民法166条1項1号)。
そのため、特に滞納期間が4年を過ぎている場合、時効の完成猶予の方法(例:裁判上の請求など)を早期に行なうべきです。通常の督促をしている間にも時効は進行しますので注意が必要です。
裁判上の請求などで時効が更新されると、従来の時効期間はリセットされるだけでなく、いわゆる区分所有法第8条の規定により、後に売買や競売等で新たに区分所有者となった特定承継人に対しても同様に請求できるため、その意味でも必要性があるといえます。
・管理組合としてどう対処すべきか?
本来であれば、管理費等の重要性を説明して、任意に支払ってもらいたいところですが、一般的に滞納金額が増えるとそれも難しくなります。
また、マンションの理事等は1年ないし2年の予め定められた輪番表による持ち回りにより変わるため、同じマンション内で当事者となるのを避けたい又は対処方法が分からないなどにより、その意思決定が遅れた又は先延ばしになることもあります。
経験上、早期に手続をとれば解決出来た問題も、時間が経つにつれ解決が困難になる傾向にあります。
そこで、管理組合は管理費等の滞納があった場合の督促手順なり方法を予め定めておき、必要性が生じたときは、その定めに従い毅然とした態度で督促を行うべきです。
なぜなら、前述のとおり、管理費等は管理組合の唯一の収入源であり、区分所有者間に不公平感が芽生えると、この経済状況のもと第2、第3の新たな滞納が増えることにより、マンション会計の資金不足から必要な時期に適切な修繕等が出来なくなり、気が付いた時にはマンションの管理は火を見るより明らかとなります。
何より滞納額が少額のうちに早期に対応をとることが一番大事です。
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