1 管理組合法人とは?  


 これは、文字通り「法人格を有する管理組合」になります。

 法人化をしていない管理組合は、区分所有法第3条を根拠に成立する団体として、一般的に、規約が定められ、理事会等の組織を備え、多数決の原則が行われ、区分所有者の変更にかかわらず団体が存続する等の要件を満たしているため「権利能力なき社団」と解されています。

 しかし、上記のとおり、管理組合の内部においては要件を満たしているのですが、外部に対しては権利能力がない団体となります。

 

2 管理組合法人設立のメリット・デメリット  


 通常の管理組合の運営においては、必ずしも法人化する必要はありません。なぜなら、解釈上、権利能力や行為能力があるのと同様の扱いがされているからです。

 しかし、法人化をすることにより、次のようなメリットがあります。

1 法律関係が明確になる
 法人化することにより、今まで理事長の個人名義でしていた権利取得や義務負担は法人名義ですることができ、契約締結も同様となります。具体的には、不動産の登記や預金口座の名義が管理組合法人名義ですることができ、結果的に管理組合の財産と個人の財産の区別が明確になります。

2 取引の安全及び円滑化が図れる
 法人化することにより、法人登記がなされ、その存在なり内容が公示されるため、これと取引をする第三者は安心して取引をすることができます。
 例えば、金融機関からマンションの修繕費の融資を受ける場合でも法人格を持っていたほうが取引の安全が図れます。

 逆にデメリットとしては

1 事務手続なり経費が増える
 法人化することにより、まず登記事項に変更(例:代表権を有する理事等)があるとその度に変更登記をしなければなりません。またそれに伴い、経費も要します。
 他に、管理組合法人の設立時及びその年度の終了時に財産目録を作成し事務所に備え置くことが必要となります。また区分所有者名簿も同様に備え置き、変更があるごとに訂正しなければならず、事務手続が増えます。

 

3 今までの管理組合との関係


 管理組合法人は、区分所有法3条の規定により、既に存在していた管理組合が同一性を保ったまま法人格を取得したものとなります。

 このため、管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、管理組合法人につき効力を生ずる(区分所有法47条5項)と定められているのは、そのことを前提としているからです。

 

4 法人化の要件と手続


 管理組合の集会(総会)にて、区分所有者及び議決権4分の3以上の多数の決議で

   @ 法人となる旨

   A その名称 「○○管理組合法人」または「管理組合法人○○」

   B 事務所

を定めなければなりません。

 また、管理組合法人には、理事監事を置かなければならず、通常は同じ集会(総会)で選任することが適当です。

 法人化に伴い、管理規約の改正を行うのであれば一緒にすることも出来ます。

 以上の手続を経た後に、法人の主たる事務所の所在地を管轄する法務局において設立登記をすることによって、法人となります。

 

5 ご依頼いただいた場合の手続の流れ   


 一般的な流れは以下のようになります。

お電話又はお問合せフォームからのお問合せ

・具体的な内容が決まっていない段階でも、まずは一度お気軽にお問合せください。

お問合せフォームはこちらへ  

 

    

面談、電話またはメールにて打ち合わせ

・司法書士が直接具体的なお話を伺います。

・その際、管理組合法人の登記事項証明書(登記簿謄本)に記載される登記事項など詳細な内容の打ち合わせをさせていただきます。

・なお、「管理組合法人の設立日」は、法務局に登記を申請した日になりますので、「設立日」のご希望がございましたら予めお申し付け下さい。

・詳細な内容が決まった後に費用の概算をお伝えいたします。

  

    

定期総会(臨時総会)の決議

・法人化に必要な事項について、区分所有者及び議決権4分の3以上の多数の決議を経ていただきます。

 

 

必要書類の収集

・登記手続に必要な印鑑証明書などをご用意していただきます。

 

 

必要書類の作成と捺印

・定期総会(臨時総会)で決定した内容に基づき必要書類を作成し、管理規約で定まった議事録署名人の方などのご署名・ご捺印をいただきます。

・このとき費用の最終見積もりをいたします。 

 

 

登記申請

・管理組合法人の設立登記の申請書を作成して、管轄法務局に登記を申請いたします。

・なお、登記を申請して1週間から10日程度で登記が完了します。

 

 

登記完了

・登記完了後、設立された管理組合法人の「登記事項証明書(登記簿謄本)」、「印鑑証明書」及び「印鑑カード」などをお渡しいたします。 

 

6 費用について 


 管理組合法人設立登記の費用は、「司法書士の報酬」と「その他の実費」の合計額をお支払いいただくことになります。その他必要書類を当事務所で取寄せる場合は、それらの費用も発生します。 

 司法書士報酬
  10万円〜

※あくまで概算であり、具体的な内容等詳細を伺った上で、正式なお見積りをいたします。また報酬には別途、消費税・日当がかかります。

 その他の実費
 登録免許税は不要です。登記事項証明書(登記簿謄本)取寄せなどの実費となります。取寄せ通数などで異なりますので、まずは一度お気軽にお問合せください。

  
お問合せフォームはこちらへ

 

7 Q&A


 管理組合法人の設立手続について、お問い合わせの多い質問を以下一部記載いたします。

 どのような場合に管理組合法人を設立しますか?

 これは、当事務所でも過去様々な管理組合法人の設立手続をさせていただきましたが、その目的は色々ありました。ただ、大体以下のパターンに分かれてくるかと思われます。

A1 不動産の登記名義を受けたい場合

 例 マンション内のある住居が競売にかかり、集会室なり管理人室やマンション全体の共用部分としたい場合

 例 区分所有者名義の駐車場をこれからはマンションの共用部分として賃貸駐車場としたい場合 など

 これらの場合、管理組合名義で登記名義を受けることはできないので、法人化していなければ、原則として代表者(理事長)の個人名義で登記をせざるを得ません。そうすると組合財産と個人財産の区別がつきにくくなり、代表者の資産状況により組合財産の行方が左右されないとも限りません。

 また、代表者変更の度に新しい代表者の個人名義に変更すると経費も必要となるため、この場合は法人化されることをお勧めいたします。

 

A2 組合財産保全のため

 大規模マンションの場合、積立金が多くなり、その額は億単位になることもあります。それを代表者(理事長)の個人名義で預金をしたままでいいのかという問題です。

 あってはならないことですが、通帳の名義が代表者であるが故に悪用されてしまった事案もあり、この場合は法人化する等の対策を予め講じる必要があるかと思われます。

 

 法人化するにあたり、管理規約を変更する必要はあるでしょうか?

 変更されることをお勧め致します。なぜなら、区分所有法は、管理組合法人には法人化していない管理組合とは異なる定めを置いている部分があるからです。 

 変更を要する主な箇所として、名称の変更、登記をする役員の範囲を追加、管理者の制度が利用出来なくなるので、その規定の削除などが必要となります。

 他に変更すべき箇所もありますので、法人化の際に全て見直された方がいいと思われます。

 

 登記する理事を理事長1人ではなく、副理事長も登記出来ないですか?

 この場合、管理規約等により副理事長を区分所有法第49条5項に定める管理組合法人を代表する理事と定めることにより登記することが可能となります。 

 

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